電機の製造から使うまでを一体制御

昨今はさまざまな節電方がありますが、新電力や省エネ家電でスマートにエコしたいところ。

中央の制御室は変動が定められた範囲に収まるように発電、送電をコントロールして、電力の需要と供給を一致させます。

電気を送配電系統で貯めることはできないので、需給制御は瞬時に行われます。

制御の過程では、変電所のスイッチを切り替えたり、変圧器で電圧を調整したり、様々な操作をきわめて短時間の問に行います。

こうした制御は物理的な機械操作が多いのですが、これをデジタル技術による操作に切り替えるのがスマートグリッドの重要部分です。

系統の末端まで多くのセンサーを組み込めば、需要の変動を迅速に把握することができるし、信頼性が向上しエネルギー効率も上がるとされています。

また、欧米の送配電網は40~50年前に設置されたままのものも多いため、これを新しいものに取り替えるだけで、送電ロスは10%下がるといわれます。

日本は送配電系統制御のデジタル化が進んでいるために、スマート化の必要度は低いのですが、欧米では送配電制御のデジタル化はスマートグリッドブロジェクトの中核部分です。

そして消費者の需要情報を集約することによって、不安定な自然エネルギーによる発電も制御するのが次のステップです。

電力供給制御のデジタル化

節約の基本は無理なく無駄なく、スマートメーターや新電力でコツコツ節約したいですね。

発電と送配電は需要に即応でぎるよう常に制御されています。

しかし需要については「変動するのが当然」として、制御の対象になっていませんでした。

スマートグリッドは通信技術により供給と需要の双方を制御します。

電気は発電所で作られます。

発電所で作られた電気を住宅や建物、工場などに送り届けるのは送配電系統です。

発電、送電、配電のシステムは、常に需要に即応した供給ができるように中央で制御されています。

発電所には火力、水力、原子力などがありますが、需要の変動を過去の経験や季節の変化から予測して、最適な発電所を組み合わせて運転します。

「工場が急に止まって電力消費が減る」「予想以上の暑さで冷房のスイッチが一斉に入る」というような状況になると、このような需要変化は電圧変動や周波数変動という形で検知され、その情報は中央の制御室に送られます。

世界でプロジェクト進行中

消費税も上がり、生活が苦しいですし、新電力や省エネで少しでも電気代を抑えたいところ。

韓国やシンガポールなどでは安全保障の一環という意味合いを含めて、スマートグリッドを導入するプロジェクトが始まっています。

ここで留意すべきことは、国によってエネルギー事情や発電、送電、配電の整備の状況が大きく異なるということです。

そのためスマートグリッド構築を推進することによって実現すべき項目の優先度も大きく異なるのです。

発送電能力が絶対的に不足する途上国では、新規設備はすべてスマートグリッドを前提にするでしょうし、先進国ではまず電力需要を抑制するところから手をつけるでしょう。

日本でもスマートグリッドの導入は検討されています。

しかし、日本は発・送配電系統の整備と信頼性は世界一といわれるほどですから、欧米と同じような形の導入はないと考えられていました。

ところが、2011年3月11日に起きた東日本大震災、東京電力福島原子力第一発電所の事故をきかっけに電力ピーク需要の抑制を目的とした本格的導入が必然となりました。

各国のスマートグリッド

家庭でもオフィスでもスマートグリッドや新電力を生かして省エネに取り組みたいところ。

オバマ政権がスマートグリッドを推進し、スマートグリッドという単語がそのま家日本で紹介されたために、米国で新規に始められたプロジェクトであるかのような印象をもたれていますが、それは誤解です。

米国ではスマートグリッドという言葉は以前から使われています。

エネルギー自立・安全保障法(Energy Independence and Security Act of 2007)に、もっとも重要な方策の一つとしてスマートグリッドの推進が入っています。

この法律は米国全体のエネルギー効率を上げ、再生可能エネルギーを導入することによって、石油輸入を減らし、国内の石炭や天然ガスを長持ちさせて、米国の安全保障レベルを上げようとするエネルギー政策です。

欧州でも、EU(欧州連合)が2006年にスマートグリッドのビジョンと戦略に関する報告書を出し、送配電系統の効率化と高度制御に向けたスマートグリッドの実現が検討されています。

また、送配電網が十分に整備されていない中国を中心にしたアジア諸国、中南米や中東・アフリ力諸国などでも、安定した効率の高い系統の構築に向けて、急速にスマートグリッド導入の気運が高まっています。

米国再生・再投資法の中味

スマートメーターや新電力などと言った、新しいシステムをご存知だろうか。

「ニューディール」という言葉は、1933年にフランクリン・D・ルーズベルト大統領が打ち出して成功したニューディール政策に由来しています。

今回の米国再生・再投資法の核となるエネルギー分野への投資の中身を詳しく眺めてみましょう。

先にエネルギー分野への予算は375億ドルと述べましたが、他の分野のエネルギーに関係するものも合わせると417億ドル(約3兆7千億円)に上ります。

中でも重点的に予算をあてられているのがスマートグリッドで、110億ドルという大きな額になっています。

スマートグリッド推進プロジェクトは、まず送配電系統の信頼性を向上させ、効率的に電気を送ることができるように設備を更新・増強します。

次いで、風力発電や太陽光発電のような変動する自然エネルギーの導入を大幅に拡大させると同時に、エネルギー消費を効率化するためにエネルギー需要自体を制御しようとするものです。

このプロジェクトの中には長期計画の初年度予算となるものも多いのです。

注目されたきっかけ

ようやく普及してきたスマートグリッドや新電力を上手に使いたい。

2008年12月に米国大統領に就任したバラク・オバマ氏は、世界的な経済不況から米国経済を立ち直らせる政策を「米国再生・再投資法」に示しました。

この法律が世界中でスマートグリッドが議論される起爆剤となりました。

米国再生・再投資法(American Recovery And Reinvestment Act of 2009)は、2009年2月17日にオバマ大統領が署名して発効しました。

予算は総額3,110億ドルで6つの分野に区分されています。

エネルギー関係向けには12%に相当する375億ドルがあてられていて、そのうち300億ドルを超える額がエネルギー・インフラに振り向けられています。

エネルギー関係以外でこれより大きい額になっているのは、一般のインフラ(ここにもエネルギー分野が入っている)と科学分野に1,200億ドル、教育と訓練に1059億ドルです。

エネルギーについては、とくに「エネルギー利用効率の向上」「再生可能エネルギーの導入促進」といった環境分野に焦点が当てられています。

そのためオバマ政権の政策はグリーン・ニューディールとも呼ばれるようになりました。

もっとも重要な目的は

工場でも家庭でも電気代は悩みの種、新電力やスマートメーターを活用したいところ。

自然エネルギーを使った発電は出力が不安定なものが主流なので、新しい系統制御方式の導入が必須です。

そして、需要の制御や系統の制御を情報通信技術により相互に連係し、発電から消費までの全体システムが最大効率になるように運用するのです。

これまで電力事業者は、電力系統は制御・管理していましたが、需要の制御を個別に行うことはありませんでした。

スマートグリッドでは、発電から需要までを情報通信技術によって包括的に制御します。

欧州は地球温暖化ガス排出削減に意欲的な目標を定めていますが、スマートグリッドの実現なしには目標の実現は難しいと考えています。

なお、日本の場合、一つの電力会社が発電から送配電、消費者への供給まですべてを行っています。

ところが欧米などでは、発電をする事業者、送電をする事業者、送電系統を制御する事業者、電気を供給する事業者が別々になっている場合が多いのです。

このため、消費者に電気を供給する事業者を「電力会社」といわず「電力供給事業者」と表現しています。

スマートグリッドを短く説明すると

最近流行の新電力やスマートグリッド、いったいどんなものでしょう。

「スマート」は賢い、有能な、という意味で、「グリッド」は送配電系統網を指します。

スマートグリッドは「次世代送電網」と呼ばれるように、従来の発電、送電、配電の形を革新的に変えるものと考えられています。

スマートグリッドが目指すところは、電力系統を流れる電気エネルギー全体の利用効率を大きく上げ、発電所で使われる化石燃料の消費を引き下げることです。

そのためにまず、個々の住宅やビルに電気の使用をできるだけ効率化するシステムを導入します。

双方向通信機能をもったスマートメーターを設置し、電気の消費をリアルタイムで計測したデータをメーターから電力供給事業者に通信で送るのです。

データを受けた電力供給事業者は信号を送り返し、個別の電力消費を抑制するなどの制御を行います。

送配電系統の側では、地球温暖化防止の切り札である風力発電や太陽光発電をできるだけ多く接続して受け入れます。

熱工ネルギーを電気工ネルギーに

蒸気タービンとガスタービンの2つを組み合わぜたのが、コンバインドサイクル発電です。

最初に高温のガスでガスタービンを回し、その余熱をさらに利用して蒸気を発生させて蒸気タービンも回します。

つまり、1回のサイクルで2回タービンを回すのです。

発電効率はその分高くなります。

技術開発は着々と行われており、熱効率は現在約60%にまで達しています。

経済性に優れていることに加え、C02排出原単位も改善されるので、地球温暖化防止の観点からも注目されています。

電力会社も導入に積極的で、九州電力の新大分発電所や関西電力の堺港発電所など国内での導入事例も増えています。

火力発電にはその他、内燃機関によって発電する内燃発電という種類もあります。

ディーゼルエンジンがその代表です。

出力は比較的小規模で、自家発電機としで使用されているほか、電力会社も電力系統から遮断された離島などで採用しています。

新電力で、省エネに貢献しましょう!

火力発電の仕組み

火力発電とは、石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料を燃やして発生した熱工ネルギーを電気工ネルギーに転換する仕組みです。

出力の調整が容易なことなどから重宝されていますが、燃料を燃やす段階でCO2を発生させるという欠点があります。

火力発電の中にもいくつか種類がありますが、最も一般的なのは汽力発電です。

化石燃料を燃やした熱で水を沸騰させ、蒸気を発生させます。

その蒸気でタービンを回し、タービンとつながった発電機によって電気を作ります。

蒸気は復水器で冷やされて再び水に戻り、再利用されます。

復水器では大量の水が必要です。

火力発電所が海の近くに建設されることが多いのはそのためです。

蒸気ではなく高温のガスを利用するガスタービン発電という発電方法もあります。

長所は、比較的小型で高出力が可能であること。

また、建設期間も半年程度と短くて済みます。

新電力など、手軽に始められる省エネ活動もあります。